
従量電灯とは?仕組みや料金単価・新プランとの違いを優しく解説
この記事の要点
- 従量電灯は電気の使用量に応じて単価が3段階に高くなる料金プランのこと。
- 電気を多く使う家庭は一律単価の新電力プランに乗り換えると安くなる場合がある。
「従量電灯(じゅうりょうでんとう)とは何だろう?」「今の電気プランと何が違うの?」と疑問に思っていませんか。
従量電灯とは、使った電気の量(1キロワットアワー:kWh)に応じて料金が3段階で高くなっていく、日本で最も一般的な電気料金プランのことです。大手電力会社が昔から提供している「従量電灯A」や「従量電灯B」などがこれに該当し、基本料金と電気使用量に応じた変動料金を合計して毎月の支払額が決まります。
この記事では、従量電灯の仕組みやメリット・デメリット、新電力プランとの違いを解説します。固定費を節約して自由に使えるお金を増やしたい方は、ぜひ参考にしてください。
従量電灯の基本的な仕組みと料金構成
従量電灯は、多くの家庭で契約されている標準的な電気料金プランです。料金の計算方法は大きく分けて以下の4つの要素で成り立っています。
1. 基本料金(または最低料金):電気を全く使わなくても毎月発生する固定の料金です。契約アンペア数(10A〜60Aなど)によって金額が変わるケースが一般的です。
2. 電力量料金(従量料金):使用した電気量に応じて支払う料金です。使えば使うほど、1kWhあたりの単価が3段階で高くなる「三段階料金制度」が導入されています。
3. 燃料費調整額:発電に必要な燃料(石炭や液化天然ガスなど)の価格変動を電気代に反映させるための調整額です。時期によってプラスされることもあれば、マイナスされることもあります。
4. 再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金):再生可能エネルギーの普及を支援するため、全国一律の単価で電気使用量に応じて課されるお金です。
料金が3段階で高くなる「三段階料金制度」とは
従量電灯の最大の特徴は、電気の使用量に合わせて1kWhあたりの単価が3段階に設定されている点です。省エネルギーの推進を目的に導入されています。
- 第1段階(比較的安価):国が定める「生活に必要な最低限の電気量」にあたる区分です(一般的には最初の120kWhまで)。単価は最も低く抑えられています。
- 第2段階(標準的な単価):一般的な家庭における平均的な電気使用量にあたる区分です(一般的には121kWhから300kWhまで)。標準的な料金単価が適用されます。
- 第3段階(割高な単価):電気を多く消費する家庭向けの区分です(一般的には301kWh以上)。1kWhあたりの単価が最も高く設定されています。
このように、電気をたくさん使う家庭ほど、第3段階の割高な単価が適用される割合が増えるため、電気代が高くなりやすい仕組みになっています。
従量電灯と「新電力プラン」の違い
2016年の「電力小売全面自由化」以降、さまざまな民間企業(新電力)が電気の販売に参入しました。これに伴い、従来の「従量電灯」と新しい「新電力プラン」の選択肢が生まれています。
新電力プランには、基本料金が0円の代わりに電力量料金が一律に設定されているプランや、夜間の電気代が安くなる時間帯別プラン、ガスやスマートフォンとのセット割引が適用されるプランなどがあります。
従量電灯のメリット
- 料金の急激な高騰を防ぎやすい:従来の従量電灯プラン(規制料金)には、燃料費調整額の上限が設定されている場合があります。燃料価格が異常に高騰した際、新電力の自由料金プランに比べて電気代の上昇が抑えられるケースがあります。
- 信頼性と実績がある:大手電力会社が長年提供しているプランであるため、サービス停止などの心配が極めて低く、安心して利用し続けられます。
従量電灯のデメリット
- 電気を多く使う家庭では割高になることがある:第3段階の単価が高いため、世帯人数が多く電気使用量が多い家庭(目安として毎月の使用量が400kWhを超える程度など)では、一律単価を採用している新電力プランより支払額が高くなる場合があります。
- セット割引などの特典がない:基本的には電気単体の契約となるため、インターネット回線や携帯電話、ガスとのセット契約による割引特典などは受けられません。
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詳しくはこちら →従量電灯から他のプランへ乗り換える際の手順
毎月の固定費を下げるために、従量電灯から別の電気プランや新電力へ乗り換える際のおおよその手順は以下の3ステップです。
ステップ1:現在の「検針票」を用意する
まずは、現在契約している電力会社から届く検針票(またはWebマイページ)を確認します。以下の情報を手元に控えてください。
- 契約中の電力会社名
- お客さま番号
- 供給地点特定番号
- 現在の契約アンペア数と、過去数ヶ月分の電気使用量(kWh)
ステップ2:乗り換え先を選び、申し込む
インターネットのシミュレーションサイトなどを使い、現在の電気使用量を入力してどのプランが安くなるかを比較します。申し込みは、新しく契約したい電力会社の公式サイトから行います。Webフォームにステップ1で用意した情報を入力するだけで、数分程度で手続きが完了するケースがほとんどです。
ステップ3:切り替えを待つ(解約手続きは原則不要)
新しい電力会社への申し込みが完了すると、新電力会社が現在契約している電力会社の解約手続きを代行してくれます。そのため、自分で元の電力会社に解約の連絡をする必要はありません。スマートメーターへの交換工事が済んでいない場合は、原則として無償で交換工事が行われ、次の検針日などのタイミングで自動的に新しいプランへと切り替わります。
電気プランの切り替えでよくある失敗例と注意点
固定費を抑えるために電気プランを変更したものの、かえって支出が増えてしまったという失敗を避けるため、以下のポイントに注意してください。
【重要な警告】
契約期間の縛りがあるプランでは、更新月以外に解約すると数千円程度の違約金(解約手数料)が発生する場合があります。契約前に必ず「解約時の条件」を確認してください。
- 「市場連動型プラン」で電気代が跳ね上がったケース:日本卸電力取引所(JEPX)の取引価格に連動して電気代が決まるプランがあります。夏の猛暑や冬の極寒期などで電力需給が逼迫した際、1kWhあたりの単価が数倍に跳ね上がり、請求額が通常の数倍になってしまうリスクがあります。
- 夜間割引プランを選んで昼間の電気代が高くなったケース:夜間の電気代が安くなるプランは、代わりに昼間の単価が非常に高く設定されています。在宅ワークなどで昼間もエアコンや家電を多く使う家庭がこのプランを契約すると、トータルの電気代が従量電灯時代より高くなることがあります。
- 「最大1万円キャッシュバック」の受け取り条件を見落としたケース:乗り換えキャンペーンとして高額なキャッシュバックが提示されていても、「12ヶ月以上の継続利用が条件」「指定のガスプランとの同時契約が必要」といった細かい条件が設定されている場合があります。条件を満たせないと特典が受け取れず、結果的にお得にならない場合があります。
電気料金の仕組みやルール、最新の制度変更などについては、資源エネルギー庁の公式サイトなどで正確な情報を確認することができます。自身のライフスタイルに合った最適なプランを選び、賢く固定費を削減しましょう。
よくある質問
- Q. 従量電灯Aと従量電灯Bの違いは何ですか?
- A. 電力会社によって呼び方や仕組みが異なりますが、一般的に「従量電灯A」は最大電流が小規模な家庭向け(関西・中国・四国・九州電力エリアなどでの最低料金制)、「従量電灯B」は契約アンペア数を選んで契約する一般家庭向け(東京・中部・東北・北海道電力エリアなどでのアンペア制)を指します。
- Q. 新電力から従来の従量電灯に戻すことはできますか?
- A. はい、大手電力会社に申し込むことで、従来の従量電灯(規制料金プラン)に戻すことが可能です。ただし、一部の大手電力会社では新規の受付条件や手続き方法が変更されている場合があるため、事前に各電力会社の公式ホームページでご確認ください。
- Q. 従量電灯の電気代を安くするための簡単なコツはありますか?
- A. まずは契約アンペア数を見直して基本料金を抑えることや、エアコンの設定温度を適切に保ち、第3段階(301kWh以上)の高い単価が適用される電気使用量を減らすように意識することが効果的です。



